●これでいいのか!?原型製作講座
◆番外編1 : 集塵機を作ろう!

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■はじめに

原型製作に限らず模型を作ってると困るのが削りカス等の粉塵です。
吸い込むと人体に害があるのでマスクは必須なのですが、
ポリパテをヤスリがけしたりリューターで削ると部屋中が粉まみれになってしまいます(泣)
窓を開けたところで風が吹き込んでくるだけですし、掃除機を回し続けるのも近所迷惑です。
いい加減、飾ってる模型や食玩が黄色くなるのは勘弁なので何とかしたいと思ってたところに見つけたのが集塵機です。

しかし市販の集塵機は数十万する上に音もサイズもデカいので個人ではちょっと買えません。
で、ネットで調べてみると結構自作の集塵機を作ってる人はいるのですが
動力が掃除機を使ってることが多く、これではポリパテを削りながら長時間稼動させることが出来ません。
そんな中、シロッコファンと掃除機のパックを使った集塵機を作ったサイトを発見したので
私も早速作ってみたのですが、どうにも能力不足・・・どうやら使用したシロッコファンが小さすぎたようです。
しかし、日本橋を探し回るもどうしてもシロッコファンが発見できず製作を断念しかけたのですが、
その時に見つけたのがACファン、つまりは普通の電源で動くPCの冷却ファンみたいなものだったのです。

いろいろ調べてみると、シロッコファンは静圧(吸い込んだ空気を押し出す力)が強いので、
ファンからダクトが付いてそこから排気する方式(塗装ブースとか)の場合は必須なのですが、
吸い込む力そのものは普通のファンとそう変わらないようなのです。
私の考えていた方式は手元のダクトから足元の集塵タンクに粉塵を集める方式だったので
ファンを集塵タンクの直上に配置すれば、風量(吸排気する空気の量)が高ければ
ACファンでも大丈夫ということが分かりました。
そこで、手元のシロッコファンの性能をサイトで調べ、それより強力な風量のACファンを装備する計画で
材料収集を行ないます。

■用意した材料

漠然とした計画を基に以下の材料を揃えました。

自作集塵機01

(1)タッパー(\700)
  集塵タンクとなるものです。
  100円ショップとかのでも良いのかもしれませんが、強度不足が心配だったので頑丈そうなのにしています。
  あと、穴を空けたりするので、蓋に凹凸の少ないものを選んでいます。
(2)計量カップ(\80)
  ACファンとダクトを繋ぐためのパーツです。
  今回の場合、アルミダクトとファンの径が合ってなかったため用意していますが、
  径がぴったりでファンに直結できる工夫ができるなら必要ありません。
(3)ボウル(\100)
  吸い込み口に使用するボウルです。
  これは別に強度は必要ないので100円ショップで買っています。
(4)ACファン(\2,100)
  集塵機の心臓部のACファンです。
  私の使用したのは三洋電機社製ACファン109S075UL(120mm径38mm厚)。
  電圧100V、周波数60hz(ウチは関西なんで)で、風量:2.9m~3/min、音圧レベル:45dB[A]です。
  風量は十分なのですが、音圧レベル(要するに駆動音)がちと大きめです。
  (ちなみに音圧レベルの基準はこちら→日常の騒音レベル
  できれば40db[A]以下にしたかったのですが、風量と音圧レベルは比例してますからねぇ・・・
(5)ACファン用電源コード + コンセント用プラグ(\350 + \100)
  電源コードはACファンを置いている店なら大抵置いてると思います。
  コンセント用プラグは近所のホームセンターで購入しました。
(6)各部固定用テープ(\300)
  アルミパイプを計量カップやボウルに接続したり、隙間を塞いだりする際に使用します。
  本来ならコーキング材やホットボンドで留めるべきなんでしょうが、とりあえずお手軽に作るのが目的なんで(笑)
(7)アルミダクト(\1200)
  元々は80mm径のシロッコファンを使用するつもりだったのでダクトは75mm径なのですが
  ACファンを大型のものに換えてしまったので合わなくなってしまい、(2)のパーツが必要になったのです。

合計\4,930ってなところです。
ACファンが若干入手しにくいですが、ファンを扱っているメーカーのサイトで購入できたりしますし
その他のものはホームセンターやDIYショップで入手可能なものばかりです。
他にはACファンをタッパーに固定するネジも必要ですが、こいつはウチにあったのを適当に使ってます(笑)
と言うわけで、早速組み立てて行きましょう。

■組み立て

大まかな構成はこんな感じです。
吸い込んだ粉塵を水に叩きつけて吸着させ、空気だけを排気口から出す訳ですね。

自作集塵機02

このプランにしたがって各部を組み立てていきます。

自作集塵機03

タッパーの蓋にファン用と排気口用の穴をあけ、そこにファンと排気口にアルミダクトを取り付けます。
ファンはネジ留めですがアルミダクトの固定はご覧の通り、力技です(笑)
まぁ、ここは排気が通るだけで力が懸からない部分なので、これでOKでしょう。

自作集塵機04

ACファンと計量カップもネジで固定しています。
カップとファンの間に若干隙間があったので、そこはテープで塞ぎます(笑)
カップと吸気用アルミダクトは開けた穴に差し込んだだけで固定していません。
穴の径をアルミダクトの蛇腹より若干小さくしておけば、蛇腹にかみ合って抜けたり押し込まれたりはしないのです。
・・・排気口もそうすりゃよかったんだよ(←今更)

自作集塵機05

ボウルとアルミパイプの接続もこんな感じです。
ここは吸入口とボウル表面とで段差があるとそこに粉塵が溜まりそうだったので、
切り開いたアルミパイプの口をテープで留めて固定しています。

と言うわけで、完成〜

自作集塵機06

ビデオ観ながらのんびり作って、所要時間4時間程度。
ほぼタッパーとかボウルの穴開けに費やしています。
ちんたらサークルカッターで切るんじゃなくて、ドリルで円周に穴をあけてそれを繋いでブチ抜く方法を使えば
2時間かからないんじゃないでしょうか?

で、性能ですが思ったより良いです。
ボールの上部20cmぐらいで出た粉塵はほぼすべて吸いますし、ボールの周囲10cm以内であれば
ほとんど吸ってるような感じです。
数値だけ見れば大した事ないように見えますが、ボウルの直径が20cmありますので
有効作業範囲が直径40cmあることになり、机の片隅で原型製作をする私には十分な能力です。
ただ、やっぱりちょっと音が気になります。
ファン自体の音圧レベルは45dB[A]でもダクトを通ることで音が大きくなってる感じです。
スピンブラシやリューターよりは静かですが、夜中の住宅街ではちょっと気が引けるかも・・・

あとは水位を調整して粉塵を上手く吸着させるようにするだけです。
あんまり水位が高すぎると排気から水が飛び出しそうですからねぇ。
あと、構造上パイプ内にパーツを落とすと回収不能なんで、後で台所用の排水口ネットでも張るつもりです。
そういや、ポカンと口の開いてる排気口の方にもネット張っておかないと・・・
気が付くと虫が浮いてるってのもイヤですからねぇ(笑)

と言うわけで自作集塵機、これにて完成!
これで心置きなく原型製作・・・したいところだけど、アルミパイプの加工時に切り口で指をザックリ(泣)
アルミパイプを扱う時は気をつけましょう(←アホ)

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