●これでいいのか!?原型製作講座
◆接触編 : 概要 〜つまりは、そういうことだ〜

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■はじめに

さぁ、突然始まりましたこのコーナー。
ここは私、川端教夫の原型製作の手法を紹介してみようというページです。

と言っても、テキストといえば「スーパーモデリングマニュアル・MAX渡辺のプラモ大好き!(ホビージャパン社発行)」と
「モデルテクニクス―私立出戻りモケイ学園副読本(大日本絵画発行)」ぐらいしか読んでない上に、
せっかちな性格をしている(とにかく形が出ないと乗らない)ので、我ながら妙な造り方をしていると思います。
それだけに初心者が陥るようなミスも内包していると思いますので、
これを読んで「これはおかしいだろう」というやり方がありましたら、反面教師として利用してやってください(笑)。
その際に正しい(もしくは効率の良い)やり方を教えていただければ、こちらとしては願ったり叶ったりです(ヲイ)

現在普及している造形材料としては
「ポリエステルパテ(通称ポリパテ)」
「エポキシパテ(同エポパテ)」
「ファンド他、紙粘土」
「スカルピー」
主流ですが、硬化の早さと硬化後の硬さ、そして量に対する値段の安さの面から私はポリパテを使用しています。
一応スカルピー以外の造形材料も使ってみたのですが、どれも柔らかすぎて私の手には馴染みませんでした。
初心者はファンドあたりの紙粘土が良いという記述もよく見ますが、プラモデルやガレキ等で削ることにある程度慣れていれば、
ポリパテの方が使いやすいんじゃないかと個人的には思っています。
ちなみにスカルピーは「焼き」の作業が失敗すると原型もダメになるという性質上、怖くて使えません(泣)

なのでこのページではポリパテ造形に絞って展開していく予定ですが、
もし、他の素材を扱うことになれば、そちらも紹介していきたいと思います。
文章・写真ともに拙いページですがよろしくお付き合いください。

■道工具の紹介

さて、まずは私の使っている切削用工具から紹介しましょう。
まぁ、見てもらえれば一目瞭然なのですが。

左から
「セラカンナ」
「彫刻刀(角刀/小)」
「彫刻刀(丸刀)」
「アートナイフ」
「小刀」
「金属用棒ヤスリ」
「スピンヤスリ」
「ポリパテ(モリモリ)」
「(下段)レーザーソー」
となっています。

特に銘柄には拘っておらず、「たまたま目に付いたのがコレ」って感じです。
珍しいところといえば「小刀」ですかね?
製作の初期段階ではゴリゴリ削ることが多いのでこれぐらいの刃が無いと不安なんですよね。

「スピンヤスリ」については芸人さんの「エビス堂のもげらーの本」
「お勧め動工具&素材集」→「サンドペーパーがけ補助具」参照。
もうコレ無しでの表面処理は考えられません(笑)

■ラフを描こう

まずは造りたいモノのプロポーションを捉えるためにラフを描きます。
あくまでプロポーション(と言うより関節の位置)を捉えるためなので、丁寧でなくても構いません。
別に他人に見てもらうものでもないので、自分が分かりやすいように描けば大丈夫です。

ただ、ここで注意!
版権モノ等、他に資料がある作品を造る場合は資料にしたがってラフを描けばよいのですが
資料が少ない場合やオリジナル作品の場合は、自分でプロポーションを考えなければなりません。
そんな時便利なのが美術書やデッサン集などですが、これらはあくまで「実物の」人間を見て描かれている絵です。
アニメ系の作品を造りたい場合は、実物の人間とのプロポーションの違いを把握しておかないと
顔だけアニメで身体はやけにリアルなフィギュアができてしまいます。

と言うわけで、アニメ等身(左)とリアル等身(右)を並べてみました。
実際にはリアル等身はもっと頭が大きく脚が短いのですが、比較にならないので多少デフォルメを入れてあります。

まず一目見て違うのが脚の長さです。
何故こんなに脚の長さが違うのか?その秘密は胸の高さにあります。
実際だと二の腕の半ばぐらいから始まる胸の隆起が、アニメキャラの場合は脇のあたりから始まっています(@)。
また、胸から股間までの長さも短いです(A)。
これは絵柄によってバラバラですが、臍から股間にかけてが多いようです。

以上で稼ぎ出された長さが脚に加えられるわけです。
この長さが足されるのが太腿なのか脛なのか均等になのかはこれまた絵柄次第ですが、
どちらかに偏らせてしまうと脚を曲げたときに不都合が目立ってしまうので
均等に分けた方が無難ではないかと私は思っています。

ちなみに胴体はリアル等身そのままで、脚だけ長くすると言う手法もありますが
西欧人のようにやけにがっちりとした等身の高いプロポーションになってしまうため、あんまりアニメキャラ向きではありません。

また、腕の長さは基本的に変わりません。
腕は両手を組んだ時に股間付近に来るのが平均的な長さの基準ですが
胴体が短いアニメキャラにその原則を当てはめると、明らかに腕の長さが足りなくなります。
つまり、胴体を小型化して脚を延長、腕は概ねそのままと
ガンダムのMSをHGUCでリファインしたようなプロポーションがアニメキャラということです(笑)

最近ではマンガ用のイラスト集や参考書も充実していますので、そちらを参考にするのも一つの手段かもしれませんね。

■ポリパテを盛り付けよう

(1) (2) (3)

ラフが描けたら、造りたいスケールに合うようにコピーし(1)、
そのコピーの上にポリパテを盛り付けていきます(2)〜(3)。
線の中に収めようと盛っても上手く盛れないと思いますので、思い切ってドバッといきましょう(笑)
でも一回では盛り足りないと思いますので、一回目が触っても形が崩れない程度まで硬化したら
二回目、同じように三回目と好みの厚みまで盛っていきます。
このあたりに関してはZANさんの「猫の小判」のアイテム製作記を見てもらったほうが理解しやすいかもしれませんね。

ちなみに、金属線等を芯にした造型法もよく紹介されていますが、
ポリパテの粘性だと盛り付けしにくいのと、修正や複製のときに切断する際に余計な神経を使ってしまうため、
私は使っていません。
プラ棒やレジン棒を芯にするのも手ですが、再接着時の強度や削り込んで芯材が露出した場合の
ポリパテとの境界の処理の問題もあるので、やはり使っていません。
一応両方とも試してはみたんですが使いにくいです(笑)

→発動編 : 胴体 〜ボディが甘ぇぜ!〜 へ進む
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