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X−F リプレイ的なもの  炎の章


プロローグ


濃い闇の中
女神と見まごう美貌の女が、卓に札を並べていく。
「動き始めたわ・・・・」 
静かにめくった札は”運命の輪”だった。


その日はメンバーが集まるのが遅かった。
さらに用事ができ、メンバーが1人欠けた。
すでに夕飯は済ませている。
メンバーが帰宅する時間まで後2時間。
GMは用意したシナリオが次回に使用されることを予感しつつ、
 セッションが開始された。


セッション1
“運命の輪(ホイール・オブ・フォーチューン)”(前編)

シーン0  冒険はゼロから

GM:では「X−F」のホームページ公開記念キャンペーンを始めます!
      ここはエル・フォースの中心、ニーテドーン内海に浮かぶフェン島の
      東端の港町ゼロです。フェン島には遺跡が多く、交通の要所としても
      人が多く集まり、冒険の種が数多く転がっている都市です。大商人と
      ギルドの長による評議会が街を治めています。
      そしてここは大通りに面した大きな冒険者の店「最後の闘い」亭です。
      今は昼時。各自自己紹介しながら、どうしているかを教えてください。
ザメちゃん:俺の名はノヴァ!翼人の戦士。15歳。術も使える。
      飯を注文する!
GM:はいはい。では可愛いウェイトレスの女の子が注文を取りにきます。
      「FFランチはいかが?」
ノヴァ:それをくれ!
川端 教夫:こいつの名はヴィルヘルム=シュターゼン。無口な魔人の戦士だ。
         無口なのでメイドのリーシャが
     代わって会話するってことでOK?
リーシャ:それでは私たちもFFランチを四人前注文しますね。
     ヴィル様が一人前召し上がって、あとは私の分ですぅ。
GM:リーシャって、何者?
リーシャ:シュターゼン家のメイドですぅ。それ以外は全て謎につつまれて
          ますぅ(笑)。
GM:は、はあ。
伊集院龍之介:私は金色の竜人のエル・シード。術師だ。151歳。
              使い魔にフェレットを連れている。
              さて、私の好物はあるかな。うまそうな翼は?
GM:目の前に。
ノヴァ:もぐもぐ(FFランチを食っている)
シード:ほう。(キラーンと目が光る)ふふ。
    とりあえず、とりにくを注文するぞ。
相崎透:またキャラクターが完成してないので始めておいてくれ。
GM:了解。そして、酒場に息を切らせて
   商人風の男が駆け込んできました!
   「マイク、大変だ!北西の漁村が爆炎竜に襲われた!」
   マイクというのは酒場の主人で、
   爆炎竜というのは西の山に出没する盗賊団のことです。
ノヴァ:もぐもぐ
シード:むしゃむしゃ
ヴィル:・・・・・・・・(無言で食事を進めている)

・・・反応無し、ですか。

GM:酒場にいた冒険者たちは正義のために立ち上がる!
   「賞金はいくらだ!?」
プレイヤー:それは、正義とは違うだろ(笑)!
GM:おっと、失礼。それは彼の心の声です。
   建前と本音が逆になっただけです。
   ともかく、彼らは酒場からダダーッと出ていきました。
   3チームほど。
ノヴァ:フッ、強い奴と会えそうだ!オヤジ、漁村の場所を教えろ!
リーシャ:FFランチの残りを急いでかきこんで、話を聞きますぅ。

 先ほどの「ボケ」は、計算通り。いや、ホントに。

GM:場所はここから40kmほど北西に向かった所です。
   漁村には名前はありません。
   歩いていけば半日、
   船で行くなら待ち時間を入れて3時間かかります。
   どうしますか?
ヴィル:(港に向かって歩き出す)
リーシャ:というわけで、船で行きますぅ。
シード:ふふふ、そこの翼人も行くのか。
    ならば、私もそこに向かおう。
    空を飛んでいけばどれだけかかる?
GM:きみは敏捷が10だから、時速10kmで飛べますね。
   道を考えないでいいので3時間といったところです。
シード:その漁村に先回りしておこう。
ノヴァ:?
GM:彼の好物は翼人の翼という設定なのです。
   すでに数人が犠牲になっています。
   まあ、キャラクターは知らないことですけど。

かなり問題のある設定である。すでに2人の翼人が彼の手にかかっている。

ノヴァ:俺は山へ行く!盗賊団と闘うのだー!
GM:では、時速160kmで飛行できる君は
   30分ほどで山には着きます。
      その前に、透君、準備できました?
相崎透:まあ、データは。ティオレスト神殿の司祭ヤトです。
    人間の地術師です。ジョブスキルは決まってませんが。
GM:さて、君も酒場にいたのですが、
   襲われた漁村は実は君の生まれ故郷です。
ヤト:はあ!?詳しい話を聞いてみます。
GM:漁村と取り引きのある商人が朝に発見したそうです。
      村はすでに壊滅状態で、家屋はすべて焼き払われたらしい。
      唯一の生き残りは村長の息子で、君の幼なじみです。
ヤト:ええ!?それじゃあ、僕の両親は?
GM:残念ながら、絶望的です。
ヤト:ではすぐに故郷に向かいます!
   地術「高速走行」で走って行きます!
GM:では時間を進めましょう。
      シードは北西へ飛行で向かいます。
      ノヴァは西へ。
      ヴィルヘルムは船で。
      ヤトは時速50kmで走っていくのですよね。
      おや、シード、
   足元を司祭風の男が猛スピードで走っていきました(笑)

なかなか協力的な人たちで助かったよ。
しかし、行動をともにする者が一人もいないとは…。



シーン1  出会いは漁村にて
  
GM:まず、一番早いノヴァからいくことにします。
ノヴァ:おう!じゃあ、漁村に一番近い山の方へいくぜ!
GM:さらに10分後、到着しました。
ノヴァ:盗賊団のアジトを探す!
GM:では「探索」、あるいは「追跡」技能で判定をしてください。
   狩人か、盗賊レベルでもかまいませんよ。
ノヴァ:そんなものはない!
GM:では目標値2で判定してください。
ノヴァ:あきらめる!で、漁村の方に歩いていく!
GM:なぜ歩く!?

ここのところは演技だと思うね。まさか地なんてことは…。

ノヴァ:とにかく歩いていく。
GM:分かりました。では30分かかるといった所ですか。
      じゃあ、次はヤトだね。
   ゼロから1時間後、漁村に着きました。
ヤト:村を見てまわります。生存者がいないかどうか。
GM:君の期待もむなしく、残念ながら発見できたのは
   十数の墓と焼け落ちた家屋だけだ。
ヤト:墓?
GM:君の幼なじみが作ったらしいね。
   言い忘れていたから、商人から聞いていたことにしよう。
   彼は商人が漁村にきた時、
   ちょうど山に行く準備をしていた所だったらしい。
   彼は商人が止めるのも聞かず、
   愛用のトライデントをもって山へいってしまった。
   彼は漁師で戦闘は得意ではないのだが。
ヤト:どうしたものでしょう。
GM:そこへ、翼人の少年が山の方から
   こちらへ歩いてくるのが見えた。
ヤト:!?、君は誰だい?
ノヴァ:人に名前を聞く時は、自分から名乗るのが礼儀だぜ、
    おっさん!
ヤト:これはすまなかったね。
   私の名はヤト、この村の出身です。
ノヴァ:じゃあ、あんたがこの村の生き残りで村長の息子か?
ヤト:彼は私の幼なじみなのです。
   私は東の大陸にあるティオレスト神殿で修行し、
   先日司祭の位を賜り、村に戻るところだったのです。
ノヴァ:どこかで聞いたような設定だね。
GM:そうだね。
   さて、そうこうしていると、
   山の方から金色の竜人がこちらに向かってくるようだ。
   お互い、知覚判定を。
   成功度×10mの距離で相手を発見できることにしよう。
ノヴァ:4成功!
ヤト:2成功です。
シード:む、成功度は1だ。
GM:ではノヴァが最初に発見した。どうするね?
ノヴァ:盗賊団は爆炎竜という名前で山にいる。
    ということは、奴は敵だ!(笑)
ヤト:おい。(←プレイヤー発言)
GM:まあ、彼はそう勘違いしているようだね。
   じゃあ、どうする?
      金色の竜人はどんどん近づいてくるよ。
ノヴァ:じゃあ、空に舞い上がる。
シード:ほう、先回りされたか?
    都合がいい。人気がないここでならば。

やはり、そう来るか。しかし今度の獲物はPCなのだが…。
NPCだから良いというわけでもないが。

GM:ノヴァ、殺気感知して。
   成功?じゃあ、竜人は君に対して殺気を放っているよ。
   ヤトも成功?
   じゃあ、竜人が殺気を放っているのが分かる。
ノヴァ:おまえが盗賊団の1人だな!
シード:フン、そのような下賎なものではない。
    私は聖なる力を持つ竜人である。
    と、言いつつ捕獲するために、握手を求める(笑)
ノヴァ:誰が殺気を放っている奴と握手などするか!
GM:では戦闘モードに入ります。
   イニシアティブを振ってください。
      ノヴァからですね。どうぞ。
ノヴァ:天術「電光鎧」を発動させるぞ!
    動体視力も「照準」で強化だ!
    あまった行動力は残しておくぞ。
シード:では捕獲を試みる。
GM:素手の命中で攻撃して下さい。
   命中しました?ノヴァはどうしますか?
ノヴァ:受ける!成功!
      (コロコロ)
        うりゃぁ、27ダメージ!
GM:魔術を絡めた「攻撃的受け」ですね。
   強力なので許可したくないのですが。
シード:フッ、構わんさ。私も使うからな。
GM:まあ、良いでしょう。
   ではシード。行動が残っていますが?
シード:火術「毒煙」を使う。
    発動は17−11で6、
    EFを開放して10にしておこう。発動成功!
GM:それ、即死呪文なんですけど。
ノヴァ:楽々抵抗!じゃあ、次のラウンドだな!
ヤト:・・・・・・私がまだなのですが。
   といっても、相手は聖なる竜。敵であるはずがないのですが。
ノヴァ:殺気放って襲って来てるって!
GM:二人とも空中にいるので、
   地術が限定されますが、どうします?
ヤト:うーん。
GM:次のラウンドにいきます。
ノヴァ:二刀流電撃パンチで3行動使うぞ。
    おーりゃ、6回攻撃だぁ!
GM:しかし、抵抗できるだけの行動力は残しているんだね。

術の抵抗には行動力が1必要なので、
即死呪文を使う敵にはとても重要なことである。
まあ、特殊能力「術の抵抗」があれば、
抵抗に行動力は必要ないのだが。

シード:ファンブル!墜落し・・・・・
    またもファンブル!転倒した!
    仕方がない。
    「高速治癒」をかけてから「治癒」を2回かける。
        HPはフル回復。反撃はできないから、起き上がる。
GM:シードはダイスの目が悪いですね。
シード:むう。だがEFでイニシアティブは取った。
    「火炎嵐」を使う。
ノヴァ:自分も効果範囲に入るのか。
GM:竜人は竜鱗で「耐火能力」があるからね。
ヤト:抵抗は?
ノヴァ:俺には必要ない!「抗魔障壁」7レベル!
シード:59ダメージ。
ノヴァ:きかん!こちらの番だ!うおおおおお!
シード:避けさせてもらおう!
ヤト:攻撃されては黙ってられませんね。
   抵抗してください。「疲労」!
GM:シードは行動力をすべて使っているので抵抗できません。
シード:小癪な!効果は何だ?
ヤト:全ての能力値が疲労で半分になります。
シード:半分だと!?
    引き際がわからぬほど愚かではない。転身する。
ノヴァ:逃すか!「破音槍」×2!
シード:HPがマイナスになった。どう判定するのだ?
GM:下がった能力値で精神判定をしてください。
シード:すでに半分だ。
GM:さらに半分にしてください。
シード:2D6で2以下など成功するはずなかろう!
GM:シードは気絶しました。どうしますか、二人とも?
ヤト:縛り上げましょう。
GM:シードは縛り上げられました。

どうなってしまうんだ?
シナリオでは軽く手合わせをして、
「やるな」「おまえもな」…ニヤリ、
といった感じと想定していたんだが。
まあ、まったく想定していなかったわけでもないんだけどね。


シーン2  餌から獲物へと

GM:先の戦いは、
ちょうど1時間早く出港した船に乗っている君達にも
見えたことにします。
リーシャ:出番がなかったですぅ。
     おかげで、ホームページを作る作業が進んじゃいましたぁ。
     (↑ずっとHPを作っていた)
GM:すいませんね。軽く流すはずだったのですが。
ノヴァ:回復させて、なぜ襲って来たか聞いてみよう!
        やい!やっぱり爆炎竜の一員だったんだな!
リーシャ:あらぁ、その竜人さん、さっき酒場で見ませんでした?
     漁村の場所とか聞いていたから、
     てっきり冒険者さんかと思ってましたぁ。
ノヴァ:そうなのか!じゃあ、なんでオレたちを襲ったんだ!?

ここで、適当に「盗賊団と間違えた。すまぬ」とか言えば、
翼人は狙うとしても、
取り敢えずはパーティを組むことができるのだが・・・・・・

シード:貴様は私の餌だからだ。貴様の翼を食わせろ。
    それが聖なる力を持続させるのだ。

まだ言うか。

ノヴァ:そうだったのか!
GM:彼の思い込みです。
   ふつうの竜人は翼人の翼なんて食べませんからね。
   どうしますか、シードを?
ヤト:許す要素がありませんね。
ヴィル:・・・・・・(興味がない)

なんとか殺さないで仲間にしようとしてくれているが、
さてどうなるのか…
新しいキャラクターシートを用意しておくか。

ノヴァ:縄を解く!で、言う!
    強くなって、俺に挑戦してくるがいい!
    俺は逃げも隠れもしない!
シード:その翼、色、形全てを記憶した。貴様は私の獲物だ。
        そして山に向かって飛翔する。傷はすでに癒してある。
GM:金色の竜人が飛び去った山は、夕日の赤い色に染まっていた。
   というところで、今回のシナリオは終了です。
   シナリオはぜんぜん進んでないし、
   レベルアップは次回の最後に。
   それでは、お疲れ様でした。

キャラクター紹介 ノヴァ  翼人・男・天・15歳 術師9 戦士4 地人の武闘家に育てられた元気な少年。  ラッドロアの武闘大会で優勝したことがある。 知性は高いのだが、山奥で育てられたため  常識と協調性が欠如している。 猪突猛進のはずだが、プレイヤーが知性派のため、  理知的な行動をとることが多い。 特殊能力は「EFアップ」と「放電」。  ジョブスキルは二刀流/素手と疾系、  高速詠唱と抗魔障壁を選択している。 雷系と体術を組み合わせた攻撃がメイン。  これがうまくハマれば、凶悪なダメージを叩き出すことができるが、  予想外のアクシデントやダイスの目に苦しめられることしばしば。 エル・シード  竜人・男・火・151歳 術師13 翼人の翼が大好物という金竜人。冥に対しては無敵な強さを誇る。 誇り高く、人間を見下してはばからない。 全能力値が10とバランスは良い。  また行動が大変攻撃的で竜人の中では珍しい存在。 特殊能力は「聖なる力」、ジョブスキルは高速詠唱と使い魔。 火術は攻撃と回復が主体。受けに回るとリプレイの通り。 はたして彼はパーティに入ることができるだろうか!?  (無理っぽいなぁ) ヴィルヘルム=シュターゼン   魔人・男・冥・211歳 戦士10 賢者3 無口な魔人の戦士。  ロングソードを二刀流で使い、プレートメイルを装備。  魔人なのに生命が11というしぶとさも持つ。 今回は全く出番がなかった。 特殊能力は「能力値無限」、  ジョブスキルは二刀流と断系を選択。 彼の連れているメイドについてはまた次回に。 ヤト  人間・男・地・25歳 術師11 賢者2 都会のティオレスト神殿で修行し、  司祭位を得て故郷に戻ってきたというプリースト。  次回に出てくる村長の息子は彼の幼なじみにして、  今回欠席したプレイヤーのキャラクターである。 性格は温厚で、抜けた所があり、憎めない。  正義感が強く、優しさも兼ね備えている。  戦闘時は勇敢に敵に立ち向かうという優等生だが、  彼が引くのはいつも『貧乏くじ』である。 回復・防御に優れるが、攻撃は苦手。  MPアップで得た無尽蔵なまでのMPと  魔術の素質を駆使して、仲間をサポートする。  詳しいキャラクターデータは、また次の機会に。
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